福利厚生は、従業員が快適に働くために必要不可欠の制度です。その中でも比較的導入しやすいのがドリンクの提供です。仕事中や休憩中に利用できる飲み物を用意することで、従業員の満足度が高まり、モチベーション向上にもつながります。
今回は、福利厚生でドリンクを提供するメリットや導入方法・導入前の確認事項などを解説します。ドリンクの導入を検討している経営者の方は、ぜひ参考にしてみてください。
【福利厚生】ドリンクを提供するメリット
福利厚生としてドリンクを提供することで、さまざまな効果が得られます。ここでは、主なメリットを4つ紹介します。
メリット1|リフレッシュ効果
仕事中に飲み物があると、忙しい業務の間にほっと一息つくことができ、心身のリフレッシュにつながります。
長時間のデスクワークは血行不良を引き起こし、肩こりや冷えの原因になります。少し歩いてドリンクを取りに行くだけでも気分転換になり、座りっぱなしの時間が減るため、健康維持に効果的です。
また、継続的な事務作業で低下しがちな集中力も、ドリンクを取りに行く際の小休憩で回復できるので、作業効果を高めることも期待できます。
メリット2|コミュニケーションの活性化
オフィス内に自動販売機やコーヒーメーカーなどを設置すると、従業員同士の交流が活発化します。特に、日頃は接点がない部署の従業員同士が会話をするきっかけとなり、顔を合わせる機会が増えるうちに、お互いに話しかけやすくなるのも大きなメリットです。
活発なコミュニケーションは職場の雰囲気を明るくし、雑談からアイデアが生まれることも少なくありません。また、部署を超えた交流を通じて、社内全体の取り組みへと発展する可能性も高まるでしょう。
コミュニケーションの活性化は、職場全体の士気を高め、ひいては仕事のやりがいにも良い影響を与えるのです。
メリット3|福利厚生の充実度アップ
ドリンクの提供は、福利厚生の中でも導入しやすく、設置場所を確保すれば気軽に始められます。社内に社員食堂やカフェを設置するには、スペースだけでなく、人件費や水道光熱費など多額のコストがかかります。一方で、ドリンクのみの提供であれば自動販売機やコーヒーメーカーなどを設置するだけで導入可能です。飲食に関わる他の福利厚生の導入に比べ、コストを大幅に抑えられます。
企業全体だけでなく、事務所や部署単位でもドリンクの提供を導入できます。スペースさえ確保できれば、社員はいつでもドリンクを楽しめるのです。維持管理もそれほど手間がかからず、福利厚生の充実にもつながり、一石二鳥といえます。
メリット4|企業の魅力向上
求職者が企業を選ぶ際には、福利厚生を重視する傾向があります。福利厚生の充実度は、従業員の働きやすさだけでなく、仕事に対するモチベーションにも直結するポイントです。
ドリンクサービスの導入は、職場環境の質を向上させ、従業員にとって魅力的な企業イメージの形成につながります。結果として、良好な労働環境が整い、従業員の仕事への意欲も自然と高まるでしょう。
加えて、福利厚生が充実している企業は従業員を大切にしているという印象を与え、企業への信頼を深める要因にもなります。
ドリンクの提供方法
福利厚生としてドリンクを提供する主な方法は4つあります。各方法でメリットとデメリットがあり、コストも異なってくるため、組織の事情に応じて選ぶのがおすすめです。ここでは、それぞれの方法の特徴を紹介します。
方法1|自動販売機
自動販売機の業者の多くは、設置やメンテナンスにかかる費用を徴収していません。
飲料メーカーと契約し、企業内に自動販売機を設置することで、従業員は自分の好きなドリンクを低価格で購入できます。設置場所を確保できれば、メンテナンスや商品の補充を業者に委託でき、従業員にかかる負担はほとんどありません。災害時に役立つ備蓄を兼ねることもできます。
一方で、メンテナンスや商品の補充のために社外の業者が出入りすることになり、セキュリティ面で不安を感じる企業もいるでしょう。商品のラインナップが同じになってしまうほか、飲み物は従業員が自費で購入するため、福利厚生としての恩恵を感じにくいのも自動販売機のデメリットといえます。
方法2|コーヒーマシン
コーヒー好きな従業員が多い企業であれば、コーヒーマシンの導入が最も早く候補に挙がるでしょう。コーヒーマシンを設置すると、淹れたての香り豊かなコーヒーを社内で手軽に味わえるので、休憩時間の質を高められます。
また、カフェインには眠気覚ましや集中力を上げる効果が期待できるため、仕事の効率化にも役立ちます。さらに、コーヒーマシンはコンパクトなタイプが多く、設置場所にも困りません。
一方で、コーヒーやカフェインが飲めない人は利用できず、コーヒー専用のマシンを選ぶと、一部の人は利用できない可能性があります。加えて、定期的な清掃やメンテナンスが必要である点にも注意が必要です。
ドリンクを提供するときの確認事項
福利厚生として従業員にドリンクを提供するときは、どのような点に注意すると満足度を高められるのでしょうか。ここでは、主な確認事項を4つ紹介します。
確認事項1|利用者数
福利厚生という性質上、多くの従業員が利用できる提供方法を選ぶことが大切です。事前にアンケートを取るなどして意見を集め、ニーズが高い飲み物を選びましょう。
従業員のリクエストに合わせ、コーヒーの種類を増やしたりドリンクの種類を増やしたりすると、従業員の満足度も高まるでしょう。
確認事項2|管理の手間
ドリンクは毎日利用するものであり、どの提供方法を選んでも一定の管理やメンテナンスの手間はかかります。そのため、管理の手間やコストについて、事前に把握することが重要です。従業員の負担が大きくなりすぎる場合は、外部業者へ委託するのも選択肢のひとつです。
しかし、適切な管理が難しく、外部委託もできない状況では、サービスの中止を検討せざるを得ないケースもあります。一度導入した福利厚生を中止することは、従業員の不満につながる可能性が高いため、慎重な判断が必要です。
確認事項3|設置場所
従業員全員がドリンクを使いやすいよう、設置場所にも配慮することが重要です。小型のマシンを導入する場合は、フロアが分かれているオフィスでは、複数箇所への設置を検討しましょう。
大型の設備を導入する際は、業務や通路の通行に支障が出ないか事前に把握しておくことが大切です。広いスペースの確保が難しい場合は、コーヒーマシンなどを選択するのもひとつの手です。
自動販売機などの稼働音については、業務への影響がないか確認する必要があります。また、従業員の動線を考慮して配置することで、より効率的な利用が可能になります。
確認事項4|ランニングコスト
ドリンクを提供する機械を取り入れる場合は、初期コストだけでなく、ランニングコストまで把握した上で検討しましょう。リース契約を選択する際は、途中解約ができるかも確認が必要です。
また、ドリンク代を従業員の負担とするか、全額企業側が負担するかについては、職場の状況を踏まえて慎重に判断しましょう。
まとめ
福利厚生として従業員にドリンクを提供できると、リフレッシュ効果やコミュニケーションの活性化といったメリットがあります。さらに、企業全体の雰囲気を良好に保ち、業績アップにつなげられる可能性もあります。ドリンクの提供方法は企業の事情によって異なるため、従業員の意向に沿って、適切に選ぶようにしましょう。